今回は骨粗鬆症についてお話します
まず骨粗鬆症とは、よんで字のごとく骨がスカスカの状態のことを言います。
骨粗鬆症があると、骨折のリスクが高まり、大腿骨頸部骨折や胸腰椎椎体骨折など、寝たきりになってしまう可能性があがってしまいます。
そのため、近年予防医学が注目をあびているのとともに、このような骨粗鬆症の治療などが大事といわれています。
目次
骨粗鬆症ってどれくらいいるの?
有病者数は1280万人といわれています。
そのうち女性のほうが男性の3倍以上の有病率となっています。
女性は閉経後のエストロゲンの減少により、骨量が減少し骨粗鬆症を引き起こすといわれています。
骨粗鬆症はどうしたらわかるの?
自覚症状はありません。検査をして診断となります。
診断には、骨密度の検査や採血検査などを組み合わせておこないます。
また骨折歴(いままでどんな骨折をしたか)も重要です。骨折歴に関しては、交通事故などの骨折ではなく、歩いてて転んで骨折をしたなどの脆弱性骨折をいいます。
原発性骨粗鬆症と続発性骨粗鬆症にわかれます。
原発性骨粗鬆症とは、特に原因となる病気がなく主に加齢によっておこった骨粗鬆症
続発性骨粗鬆症とは、腎機能障害や糖尿病、甲状腺機能亢進症など原因があっておこる骨粗鬆症をいいます
今回は、原発性骨粗鬆症についてお話します。
簡単にお話すると、骨密度が70%以下を骨粗鬆症と診断します。若い人の骨密度の値と比べて、70%以下の骨密度しかありませんということです。
ただし、大腿骨近位部骨折や胸腰椎椎体骨折がある場合は骨密度にかかわらず、原発性骨粗鬆症と診断されます。
さらに、手首の骨折の既往などがある人は骨密度が80%未満でも原発性骨粗鬆症の診断となります。
骨粗鬆症といわれたら
食事療法
まずは食事療法が自分でできることの一つです。
必要な栄養素としては、カルシウム・ビタミンD、ビタミンKが重要です。
カルシウムは1日700-800mgの摂取が必要とされています。
カルシウムが多く含まれている食品としては、牛乳などの乳製品・小魚・大豆などです
ビタミンDは、魚やきのこ類に多く含まれ、ビタミンKは納豆に多く含まれます。
ビタミンDは多くの日本人に不足しているといわれ、ビタミンDを活性化させるためには日光にあびることが必要であり、食品はもちろんのこの日光にあびることも留意する必要があります。
薬物療法
骨密度が低い場合は、薬物療法が必要となる場合も少なくありません。
ビタミンDの内服薬や、骨破壊を抑える薬、骨をつくる薬など今は様々な骨粗鬆症薬があります。
大きくわけると内服薬と注射薬があります。基本的には注射薬の方が、骨密度を上げる効果に優れていると考えていただいてかまいません
骨粗鬆症治療薬の選択に関しては、主治医の先生とよく相談し、決めていくのがよいでしょう。
いまは、自己注射する薬もありまたやり方もそんなに難しくはないのでそういった自己注射製剤なども検討してみるのもいいと思います。
骨粗鬆症をほっておくと、、、
最後にこのように骨粗鬆症とわかっていて、治療をしない場合について話します。
骨粗鬆症があると、大腿骨近位部骨折(足の付け根の骨折)や腰椎圧迫骨折(背骨の骨折)を起こしやすいことがわかっています。
これらの骨折はおこしてしまうと、長期の入院が必要であったり、場合によっては寝たきりになってしまったり、まえよりうまく歩けなくなってしまったりなど楽観視できない骨折になります。
こういう骨折を起こさないために骨粗鬆症の治療というのは大事なんです。
骨粗鬆症は治療をはじめても、自覚症状は何もかわらず骨密度もすぐにたくさん上がるものでもないですが、地道に治療を続けていくことが今後数年先の自分の未来にかかわっていくことなので、ぜひ検査・治療をおこなっていくことをお勧めします。