今回は患者さん・ご家族向けの記事です。
子供が急に肘をいたがったり動かさなくなったときの対処についてまとめます。
医療従事者目線の話に関しては別記事で触れています。
目次
子供が肘を動かない・痛がるときに確認すること
原因は何か
✔ 転んでぶつけたのか
✔ 手を引っぱったあとからなったのか
✔ よくわからない
だいたいこの3パターンにわかれることが多いです
転んでぶつけた場合
この場合は骨折の可能性を考えなくてはいけません。
腫れ具合や痛がる様子をみて判断になりますが、腫れ具合はぶつけてすぐはわからないことが多いです。
全然動かす様子がなかったり、肘を触っていたがる、肘を動かすといたがる
このような兆候がある場合は、骨折の可能性があります。
見た目だけでは判断できないため必ず医療機関を受診しましょう
医療機関でレントゲンを撮影し診断となります。手術の可能性もあるので、速やかに受診することが望ましいです
手や指をうごかさいときは麻痺の可能性があり、緊急手術の可能性があります。
しかし子供は痛みに敏感なため、怖がって動かさないだけのときもありますので注意してください。
緊急手術の場合もあるので、医療機関を受診するまでの間は飲食はとらないほうがいいです。(飲食をとって胃に食べ物があると全身麻酔の際にリスクになるため)
腕を引っ張ったあとからなった場合
この場合は、肘内障の可能性が高いです
いわゆる肘が抜けたという表現をする疾患です。
子供特有の疾患であり、成長につれ外れることはなくなりますが、一度なると繰り返すことが多いです。
肘内障の場合は、自然に整復(治る)ことも少なくありません。病院に行く準備をしているときに気が付いたら治っていた!ということもよくあります。
肘をひっぱったあとから、子供が腕をうごかさなくなった。肩をあげなくなった。などのエピソードがあれば、肘内障が一番に疑われます。
肘内障も医療機関に受診し、整復を行わなければいけません。自然整復を期待して何時間も家で様子をみる必要はなく、医療機関に受診し整復を行ってもらってください。
よくわからない場合
受傷機転・きっかけがよくわからないけど腕を動かさなくなることもよくあります
子供の動向を常にずっとみてるわけではないので、気が付いたら腕をうごかさなかったり、痛がってたりということはあります。
この場合は知らない間にぶつけてたりする場合もあるので、骨折の可能性もあります。
なにかのきっかけで、肘がひっぱられ肘内障になる可能性もあります
いずれにしても、医療機関[を受診しレントゲンや診察などをうけ、診断・治療を行う必要があります。
原因を確認後にすること
結局のところ、早期に医療機関を受診するのが重要です。
骨折の場合は緊急手術の可能性もあり、肘内障であった場合も早期に整復を行ったほうがよいためです。
また手術するほどではない骨折の場合も、固定が必要になるためできるだけ早期に受診し、骨折がずれる前に固定をおこなったほうが良いです。
肘周りの変形がつよく、指も動かさない場合は緊急手術の可能性もあります。その際は前述しましたが、医療機関を受診し診断・方針が確認されるまでは食事をとらない方がよいでしょう。
まとめ
お子さんが肘を痛がる・動かさない場合は、まず原因を確認してください
原因によって、考えられる疾患がちがいます。
ただし、肘周りの疾患は早期に治療介入が必要な疾患が多いため、いずれにしても早期に医療機関を受診してください。
ただし、肘内障は自然整復されることもあり医療機関を受診しようと準備してたら勝手に治って子供がケロッとしていることもあります。
変形が強い場合や指を動かないなどの麻痺がある場合は緊急手術の可能性もあります。その際、飲食をとっていると手術がすぐにできない可能性もあるので、ケガしてから医療機関を受診するまでの間は飲食をとらないことをお勧めします。